アトピーに悩む方から「どんな食事をすれば良いですか?」というご相談をよく受けます。
アトピーに良い食べ物と言っても、
・かゆみに影響するたべもの
・アレルギーに影響する食べ物
・体質そのものを整える食べ物
など、さまざまな観点があります。
その中で今回はあまり知られていないけれど、実は大切な食べ物の「酸性」「アルカリ性」に注目して、アトピーと食生活の関係を考えてみましょう。
食べ物の「酸性」「アルカリ性」とは?
食べ物には、「酸性の食品」と「アルカリ性の食品」があります。
これは、その食べ物が体の中で消化・吸収されたあと、どんな酸性度(ph値)の物質が体内に生成されるかによって分けられます。
たとえば──
お肉や魚、卵、砂糖、加工食品などは「酸性食品」
野菜や果物、海藻、豆類などは「アルカリ性食品」
と呼ばれます。
ここで注意したいのは、食べ物そのものの味が酸っぱいかどうかではないということです。
たとえばレモンや梅干しは酸っぱいですが、体の中ではアルカリ性の働きをします。
「酸性・アルカリ性食品」というのはあくまでも“消化吸収された後に、体の中で酸性・アルカリ性のどちらの物質が残るのか”ということです。
アトピーと体の酸性度 ― 酸性度を整えることが、肌の元気につながる ―
実は、私たちの体の中では「酸性」と「アルカリ性」のバランス(酸性度)を保つ仕組みが働いており、そのバランスが肌の状態のみならず体全体の健康に関係していることが少しずつ分かってきています。
具体的には、腎臓や肺が中心となって酸やアルカリのバランスを調整し、余分なものは尿や呼気として体の外に排出しています。これによって人の血液や体液は、pH7.35〜7.45(弱アルカリ性)に保たれています。
肉類・加工食品・砂糖など“酸を生みやすい食事”が続くと、酸を排出するための腎臓への負荷が増していきます。
最近の研究では、酸性の食事が長期的に続くと
・腎機能の低下
・骨密度の低下(カルシウムが使われるため)
・高血圧や代謝の乱れ
などのリスクが高まることが報告されています。
そして、こうした体内バランスの乱れは、皮膚のバリア機能や炎症にも影響を及ぼすと考えられています。アトピーの場合、肌の炎症が強くなったり、乾燥しやすくなったりする一因にもなり得るのです。
また、アルカリ性食品には抗酸化作用のある栄養素が多く含まれており、これが体内の活性酸素を抑えて肌の老化を防ぎます。
「酸性食品」と「アルカリ性食品」の例
酸性食品は主に以下のようなもので、欧米化した食生活や加工食品中心の食生活では、無意識に多く摂取しがちです。
- 肉類
- 魚介類
- 卵
- 白米・小麦などの精製穀物
- 砂糖・スイーツ類
アルカリ性食品は主に以下のようなものです。
- 野菜
- 果物
- 海藻
- 豆類・大豆製品
- きのこ類
- ナッツ類
アルカリ性食品で体質そのものを整える
アトピーはとても複雑な発症メカニズムの病気で、根治を目指すには体質の改善が欠かせません。だからこそ、アルカリ性の食品を意識して摂ることは、体の中から肌を健康に保つ大切な習慣です。
野菜や果物、豆類、海藻などアルカリ性食品を意識して毎日の食事に多く取り入れることで、体の中のバランスが整い、肌が自分の力で回復しやすくなる環境が生まれます。
アトピーとは無縁な健康的で快適な生活を実現するために、ぜひ日々の食事で積極的にアルカリ性食品を食べてください。
田中 伊都子
Dr.Itsuko
株式会社 Atopy labo 代表取締役
田中先生の紹介
カリフォルニア州パシフィックウエスタン大学卒業。
化粧品研究メーカーでの研究開発を経て、米国公益法人アトピーリサーチ協会理事、代替医療カウンセラーとして活動。
重度のアトピーに苦しむ息子のために自ら天然原料だけを用いた保湿剤を開発し、息子様の肌を健康な状態に回復させた経験を持ち、その実体験をもとに肌の自然治癒力を高めるケアを提唱している。


