ステロイドをやめたらアトピー悪化?リバウンドの原因と正しい向き合い方

ネット上でアトピー体験談を探すと「ストロイド剤の使用を中止したらアトピーが悪化して苦しんだ」という人の体験談を目にすることがあり、とても不安なると思います。

そのような不安を払拭するために、この記事では、「ステロイドのリバウンド」とは何なのか、なぜ起こるのか、どれくらい続くのか、そしてリバウンドを軽減するためのステロイド剤との向き合い方を解説します。

アトピー治療で言われる「ステロイドのリバウンド」とは

まず知っておきたいのは、ステロイドの「副作用」と「リバウンド」は別のものだという点です。

ステロイド剤の副作用とは炎症やかゆみを抑えるという本来得たい効果とは別に、ストロイド剤の使用により生じてしまう望ましくない作用を指します。

例えば、ステロイド剤はかゆみや炎症を引き起こす免疫反応を抑制することでかゆみや炎症を抑えますが、免疫反応が抑制されることで細菌や真菌に感染しやすくなるという副作用があります。

その他の代表的な副作用には、皮膚萎縮、毛細血管拡張、色素異常などがあります。

一方で、リバウンドとはステロイド剤の使用を中止したあとに生じてしまう望ましくない作用のことを指します。

ステロイド剤の使用を中止したあとに見られる症状としては、アトピー性皮膚炎の悪化や紅皮症、発熱、全身倦怠感などがあり、これらは「ステロイド離脱症状」と呼ばれることもあります。

なぜステロイドをやめると悪化することがあるのか

ステロイド剤は、副腎皮質が作り出すステロイド・ホルモンを人工的に生成した薬です。

そもそもホルモンとは体のさまざまな働きを調節する物質で、中でもステロイド・ホルモンは、免疫反応を抑制し、炎症をコントロールする重要な働きを持っています。

そのため、アトピーの炎症を抑える大きな助けになりますが、ステロイドはホルモンの一種であるため必要以上に体内に吸収されると、体にさまざまな変調をきたすことがあります。

特に、長期間にわたって強いステロイド・ホルモンが投与されたり、ステロイド・ホルモンの内服が続くと、体は「もう自分でステロイド・ホルモンを作らなくてもいい」と判断し、副腎皮質の機能が委縮してしまうことがあります。

その状態でステロイド剤の使用を急に中止すると、体内のステロイド・ホルモンが不足し、結果として皮膚の炎症やかゆみの悪化、発熱、全身倦怠感といった全身症状を含む離脱症状が起こりやすくなるのです。

どれくらい続くのか・いつ落ち着くのか

リバウンドや離脱症状がどれくらい続くかは、人によって大きく異なります。

リバウンドには、

  • 副腎皮質によるステロイド・ホルモンの生成機能がどの程度低下しているか
  • もともとのアトピーの状態がどれくらい悪化しているか

といった点が影響します。

正しいスキンケアを行っていれば、2週間〜1か月程度が悪化のピークとなることが多く、その後は徐々に改善していきます。

一方で、長期間にわたって強いステロイド剤を使用してきたり、ステロイドを内服したりして副腎皮質機能の抑制が強い場合には、リバウンドが落ち着くまで半年〜1年ほどかかるケースもあります。

リバウンドを防ぐために大切な考え方

ステロイドのリバウンドを防ぐためのポイントは、副腎皮質機能の抑制を防ぐことです。そのためには、必要以上のストロイドが体内に吸収されることを防ぐ必要があります。

できればステロイド剤は顔に塗らない、どうしても顔に塗らなければいけない場合には強い薬を使わないようにしましょう。

顔は皮膚が薄く、毛穴が多く、血流が豊富なために、ステロイド・ホルモンの吸収率が体の他の部分よりもずっと高く、必要以上のステロイド・ホルモンが体内に吸収されてしまうリスクがあります。

また、医師からステロイド剤が処方された際には、そのステロイド剤の「強さ」を確認することも大切です。

日本では、ステロイド外用薬は

  • ストロンゲスト(Ⅰ群)
  • ベリーストロング(Ⅱ群)
  • ストロング(Ⅲ群)
  • ミディアム(Ⅳ群)
  • ウィーク(Ⅴ群)

の5段階に分類されています。

最初からストロング以上の強い薬が処方された場合は、なぜその強さが必要なのかを十分に説明してもらい、納得したうえで使うことをおすすめします。

最後に、ステロイド剤を使用している場合は医師に相談せずに自己判断で中止しないことがとても重要です。自己判断での投薬中止は思いがけない離脱症状(リバウンド)を引き起こす可能性があります。

まとめ

ステロイド剤はステロイド離脱症状などの弊害のある薬ですが、アトピーの状態によっては使った方が結果的に回復への近道になる場合があります。

大切なのは、ステロイド剤使用のリスクと期待される効果を比較して、リスクを上回る効果が期待できる場合に使用するということです。

ステロイド剤にはいくつかの強さがありますので、医師と十分にコミュニケーションをとって治療方針に納得した上で、処方されたステロイド剤を用法を守って使用しましょう。