アトピー性皮膚炎を発症すると多くの人が「なんで私が」や「なんでこの子が」と思い、落ち込んでしまいます。特殊な環境で人と異なる生活をしているわけではないのに、どうして自分や自分の子供だけがアトピー性皮膚炎に苦しまなければいけないのか?
私の息子がアトピー性皮膚炎だったので、その気持ちはとてもよく分かります。
幸いにも息子のアトピーを完治させることができたのですが、アトピーとの闘いの中で分かったことはアトピー性皮膚炎は「体質的な要因」と「物理的な要因」が重なって発症するということです。
前者の体質的な要因ですが、以下の体質の人はアトピー性皮膚炎になりやすく注意が必要です。
・アレルギー体質
・肌のバリア機能が弱い(皮脂が少ない、肌が乾燥しやすい)
・ストレスを抱えやすい
なぜ上記のような体質の人がアトピー性皮膚炎になりやすいのか? それはアトピー性皮膚炎の発症メカニズムが分かると理解できます。
なぜアトピー性皮膚炎になるのか?その発症メカニズム
アトピー性皮膚炎はアレルギーに起因した皮膚の疾病です。
人間の体はウィルスや細菌などの病原体から体を守る「免疫」というシステムが備わっており、病原体が体に進入してくると体はまず咳やくしゃみ、鼻水などを出して病原体を体外に排出しようとします。
この咳やくしゃみ、鼻水という体の反応は肥満細胞という組織が作るヒスタミン等の化学物質によって引き起こされます。そのため、免疫システムは病原体の侵入を検知すると肥満細胞を刺激してヒスタミンを放出させ、それによって咳やくしゃみ、鼻水を引き起こします。
ところが免疫システムは卵や大豆などの食品、花粉、ハウスダスト、何らかの化学物質など人体にそこまで有害でないものまで病原体と認識して大量のヒスタミンを放出してしまうことがあり、これがアレルギーの症状を引き起こします。
ヒスタミンには咳やくしゃみ、鼻水を引き起こすだけでなく、その強い刺激作用で皮膚に炎症を起こしたり、強いかゆみを引き起こします。これがアトピーの症状である肌の炎症やかゆみの原因です。
また、かゆいとどうしても掻いてしまい皮膚が傷つきます。それによって肌のバリア機能が弱まり、乾燥が進んでしまいます。乾燥が進むと、さらに外部からの刺激に対して弱くなり、かゆみが増していきます。
加えて、皮膚がダメージを受けると細菌にも感染しやすくなります。特に黄色ぶどう球菌という細菌はアトピー患者の65%から検出されていて、アトピーのもう一つの敵です。
黄色ぶどう球菌が出す毒素は肌の環境をさらに悪化させてダニなどのアレルゲンが付着侵入しやすい環境にし、結果としてかゆみや不快感をさらに増幅させます。
かゆみと肌のバリア機能低下の相互作用がどんどん進んでいく結果、回復が難しいところまで肌の状態が悪化してしまうのです。
このようにアトピーになりやすい体質(アレルギー、肌のバリア機能が弱い、細菌感染などに対する抵抗力が弱い)に物理的な要因(アレルゲンとの接触や掻きむしり、紫外線、塩素などの肌への刺激)が加わることでアトピーが発症し、重症化します。
そこでアトピーを治すには、まずアレルギーの原因となっている物質(アレルゲン)を減らす必要があります。こまめに部屋の掃除や洗濯をおこない、アレルゲンの可能性となるダニやハウスダスト、花粉を減らしましょう。
また食べた後にアトピーが悪化すると感じる食べ物があれば、できる範囲で食べるのを控えてみましょう。
加えてアトピーになりやすい体質の改善も必要不可欠です。
アトピー体質の改善方法
アトピー体質を改善していくうえで、まず意識したいのが毎日の食事です。ポイントは「アルカリ性食品を多めにとる」こと。野菜、果物、海藻、豆類などのアルカリ性食品は体のバランスを整え、また抗酸化作用のある栄養素を多く含むため、それが皮膚のバリア機能を守り、炎症を鎮める助けになります。
アルカリ性食品については、以下の記事を参考にしてください。
次に大切なのがストレスの緩和です。ストレスは自律神経を乱し、免疫のバランスを崩し、かゆみの感じ方を強くするため、アトピー体質の悪化要因として非常に大きなものです。
ストレスの影響は、皮膚が過敏になったり、夜にかゆみが増えたり、睡眠が浅くなり回復力が落ちるなど、日常生活のあらゆる部分に影響します。深呼吸や軽い運動、湯船にゆっくり浸かる時間を作ること、趣味の時間を確保することなど、ストレスをためこまない習慣がアトピー体質改善につながります。
またアトピー自体が引き起こすストレスをどう管理するかも大切です。
アトピーには色々なタブーがあります。そしてアトピーのケアも毎日毎日が同じことの繰り返しで、アトピーを悪化させてしまう人はその繰り返しのストレスに耐え切れなくなってしまった人がほとんどです。分かっているけどやけになってつい掻いてしまったり、ちょっとよくなるとケアを怠って、その結果ついついステロイド剤の使用にたよって症状をこじらせてしまう。
それゆえに心の持ちようがとても大きな要素になります。「アトピーはいずれ治る」、「アトピーで死ぬことはない」という心の余裕とポシティブ思考。それが大切です。
わずらわしいスキンケアも化粧や美しい肌を作る美容の一部と考えた方が良いです。そうすると気持ちがリラックスしますし、心に余裕ができます。
忘れてはいけないのが肌の体質改善を改善するためのケアです。肌に関して特に見落とされがちなのが「お風呂やシャワーの水の質」
一般的な水道水には塩素が含まれており、この塩素が肌のバリア機能を破壊してアトピーを悪化させてしまうことがあります。セントラル浄水のように、家全体の水を塩素除去したやさしい水に変えると、お風呂もシャワーも肌にやさしくなり、肌へのダメージを減らすことができます。
塩素が肌に与える影響については、以下の記事を参考にしてください。
またバリア機能を維持するために保湿が大変重要です。保湿は洗顔や入浴後可能な限り早く実施し、肌に上にもう一枚バリアとなる層を作るつもりで、化粧水や乳液、クリームなどでしっかりと保湿しましょう。
保湿の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
かゆみが出たときに掻いてしまうと皮膚が傷つき、さらに炎症が悪化してしまうため、掻くのを防ぐことが大切です。
皮膚を掻いてしまう人は、皮脂が少ない人が多いです。一般の人は皮脂がしっかり出てきて、それが肌を保護したり修復するのに役に立っていますが、アトピーの肌は自ら皮脂を作ることができなくなっています。そこでワセリンなどで肌を保護してあげましょう。
加えて痒いときに掻かずに「冷やす」という方法もあります。人間の脳はかゆみの感覚よりも冷たい感覚を優先する性質があり、冷やすことでかゆみを感じにくくなります。保冷剤や冷却タオルを常備しておくと安心です。
アトピー体質は一朝一夕で劇的に変わるわけではありませんが、体質改善していくことで、症状が落ち着いていく人は多くいます。
自分のペースで無理なく続けられる方法を見つけ、アトピー体質を改善する生活を積み重ねていきましょう。

